私の好きな科学者・技術者 第3位 アイザック・ニュートン

趣味を作ることが趣味の、はしびろこうです。

今日は私の好きな科学者・技術者の第3位をお届けします。
この方、あまりにも大物過ぎて書くことが多く、まとめるのがとても大変でした。

それでは早速。

私の好きな科学者・技術者 第3位 アイザック・ニュートン

1643年~1727年

子供の頃に伝記を読んで憧れ。
中学・高校と進むに従って、彼の功績の大きさに圧倒され。
いつしか憧れが尊敬・畏敬の念に変わっていった、という変遷を辿りながら。
私の好きな科学者・技術者の3位になっています。

実際、彼が現在の科学に与えた影響は、あまりにも大きいと感じます。
簡単に紹介しておきますと、

  • ニュートン力学
    この式のすごいところは、その後の物理学の根っこになっているところ。
    3つの法則でできていて、
    運動とですね。
  • 微分・積分の発見
    ライプニッツという方が発見者という意見もあり、そっちの方が今は主流なのかもしれませんが。
    なんにしても、ニュートンも(多分独自に)それを発見してますから、やっぱりすごいですね。
    この微分積分を使わない物理理論とか物理法則というのを、私は知りません。
  • プリズムによる分光
    一般に白色光といわれるものが、いろんな色のまじりあったものということを発見しました。
    で、分けた光をまた混ぜると白色光に戻るというところも発見しました。
    あと、色付きの光を混ぜ合わせて、別の色の光を作ることも
    これは、色の3原色でいろんな色を作るという、今のディスプレイなどでも応用されていますね。
  • ニュートン式反射望遠鏡の製作
    こっちは技術とも言えますが、反射望遠鏡を作りました。
    屈折式に比べて、比較的簡単に倍率を高くできるので、宇宙に関する研究が大きく進展しました。

そして、なんといってもニュートンといえばこれ!っというのが

  • 万有引力
    これのすごいところは、すべての物同士に、質量(簡単に言うと重さ)に比例した、くっつこうとする力が働くことを発見したとところ。
    リンゴも月も、地球と引き合っているって、なかなかすんなりと受け入れられないと思いますよ。
    特に、地球がリンゴに引っ張られるなんてね。あと、上の運動方程式と合わせて考えると、重力定数というものが出てくることになります。
    さらに、”高いところからものを同時に落とすと、重い物も軽い物も同時に地面につく”ということを、簡単に説明できることですね。

代表著書には、「プリンキピア」があります。

ニュートンの魅力は、やはりその功績の大きさ。

上でも書きましたが、ニュートンの魅力は、やはりそのあまりに大きな功績ですね。
ということは、それをそれなりに説明しなきゃいけないわけで。
本当は、そういうことは兄弟サイトの「まんぼうのごとく」でする方がいいのかもしれないんですけど。
まあ、こちらではある程度さらりとご紹介していこうと思います。
それでも、いつになく長編になる予感がしますけと。

それでは、順番に行ってみますが、やっぱり大取りは、ネタ満載の方がいいでしょうから。
そのあたりを考えつつ。

ニュートン力学とは?

先ほどもさらりと書きましたが、3つの法則から成り立っています。

  • 運動の第1法則:慣性の法則。止まっているものは止まり続けようとし、動いているものは動き続けようとする。もう少し突っ込むと、力が加わらない限り、物は静止または等速運動し続ける、ということ。
    まあ、アインシュタインの相対論では、静止と等速運動は区別がつかないので、この2つは同じものになりますが。
  • 運動の第2法則:運動方程式。α=F/m α・加速度、m・質量、F・力です。つまり、力で変化するのは速さではなく、「速さの変化する度合い」である加速度ってことです。
  • 運動の第3法則:作用・反作用の法則
    ある物体Aが別の物体Bに力を及ぼす時、物体Aも正反対の方向の物体Bから受ける、と言うもの。
    物体AもBも変形しないなら、Aが及ぼす力とAが受ける力の大きさは等しくなり、向きが正反対になりますね。

で、これの何がすごいっていうと、のちの物理学の根幹をなしているから。
特に、運動の第2法則、運動方程式は、その後のあらゆる物理理論で登場する基本中の基本なんですよね。

微分・積分とは?

微分とは、細かく=微小に、分けること。
積分とは、分けたものを集める=積み重ねる、こと。
以上、終わり。
とすると、たぶんかなり突っ込みが入ると思いますので。
もう少し突っ込んだ話をします。
ただ、少しわかりやすくするために、科学で使う微分・積分に話を絞ります。

科学の目的は、自然の理解です。
そして、理解の結果得られるものが予測です。
この世界は、なぜ今感じているようになっているか?
そして、別の時間、場所ではどうなっているのか?
これが知りたいわけです。

そのためには法則が必要になってくるわけで。
法則を示すアイテムとして、数学を使う事になっています。
この、法則を数学で表したものを、方程式と言います。

さて、自然を理解する手段として、自然界にある物体について考えると言うのは、いい方法でしょう。
でも、物体が持つ性質は沢山あります。
色、形、匂い、と言うあまり変化しないものから、位置、動き方、電気的な性質、磁気的な性質など時間や場所で変化するものなどまで。

科学の中でも物理学では、時間や場所で変化する性質に焦点をあてます。
そして、その性質の変化の仕方に注目するわけです。
どうやって注目するかというと、時間で変化するものなら時間がほんの少し経ったとき、場所で変化するものなら場所がほんの少し変わったとき、に性質がどのくらい変化したかを見るわけですね。
そして、この”ほんの少し”をすご~く小さくして、最終的に0に限りなく近づけていくと、変化する前の状態での、瞬間的な(局所的な)変化の仕方がわかるわけです。

こういう、瞬間的な(局所的な)変化の仕方、というやつを求める計算方法を、微分といいます。

反対に、変化の仕方をとっても小さい時間や場所ごとに積み重ねていくと、大きく時間や場所が変化した後の性質が計算できるんですね。
これが未来のことなら予想、過去のことなら理解、となるわけです。

こういう、小さな変化を積み重ねて過去を理解したり未来を予想したりする計算を、積分といいます。

あ、そうそう、純粋に数学的には、ここで行っていることとは全く違うので、その方面からの突っ込みはご容赦ください。

ちなみに、
「大学において、生物学は化学になり、化学は物理になり、物理は数学になり、数学は・・・哲学になる」
という話をきいて”なるほどなぁ~”と思ったことを思い出しました。
私の力不足ではありますが、哲学を皆さんにわかりやすく話すのは、おそらく無理です。

プリズムによる分光とは?

まあ、説明の必要がないほどに皆さんよくご存じのことでしょう。
そう、虹、ですね。
でもって、ちょっと知っている方なら、
”太陽の光はいろいろな色が混じっているから白い。それらの屈折率の違いで分光すると虹になる”
なんてこともさらっと言えるかもしれません。
そいでもって
”光は電磁波で、色の違いは実は波長の違いだ”
何てこともご存じの方も多いはず。
でも、ニュートンがプリズムでの分光から出した結論は、「光の粒説」なんですよね。
ちょっと意外な感じがしますけど。

ニュートン式反射望遠鏡の製作について。

これについては技術になりますがね。
望遠鏡で、どのくらい遠くまで見られるかという性能は、望遠鏡の口径によります。
そして、レンズで光を集める屈折式の望遠鏡の場合、口径と同じ大きさのレンズが必要です。
でもね、いくら口径が大きくても、レンズが歪んでいたらダメなのですよ。
そして、歪みの無い大きなレンズを作るのは、とても大変なんですね。
その点、反射望遠鏡は凹面鏡で光を集めるので、レンズよりは大きくするのが簡単なんです。

もう一つ、色収差(いろしゅうさ)の問題があります。
レンズで光を集めるのは、光がレンズに入った時と出た時に屈折(つまり折れ曲がる)性質を使っています。
でも、色によって折れ曲がり方が違うので、ぼやけます。
見ている物の境目は、虹色になります。
屈折式の望遠鏡では、この問題がもろに出てくるわけです。
でも、鏡で反射させて光を集める反射式では、これが起こりません。

まあね、メンテが必要とか、調整が面倒とか、反射式にもデメリットはありますがね。
でも、遠くまでくっきり見えると言うメリットは、非常に大きいんですよね。
今でも、大口径の望遠鏡は、反射式が多いです。
ニュートン式とはちょっと違う物みたいですけどね。

万有引力の法則について。

今となっては、あまりに当たり前になっていますが。
よく考えると、不思議な力ですよね。
この「世の中の物すべてには重力というものが働いている」というものは。

実はどうやら、地上において物が地球に引き寄せられるというのは、万有引力の法則が見つかる以前から、知られていたようです。
ニュートンは、その引っ張る力が、1. 宇宙のどこででも働いていて 2.すべての物が持っている ということに気づいたわけです。

で、そのきっかけとなったのは、例の「リンゴ」です。
リンゴが木から落ちるのを見たニュートンは、その当時わかっていたようにリンゴは地球に引っ張られたことを思い出し。
でも空に浮かぶ月がなぜ引っ張られて落ちてこないのかと考えて。
実は引っ張られているけれど、地球の周りを回転しているので地面までは来ない、というように考えて。
目の前のリンゴも、遠く離れた月も、同じように地球に引っ張られているということを理解して。
実は、反対に地球も月に引っ張られているはず。つまり、世の中の物はすべて引き合っている、となったわけです。
その先に、その力は重さ(質量)に比例し、距離の2乗に反比例している、と結論付けたわけです。

さて、この「リンゴが落ちるの見て万有引力の法則を発見した」というのは、実際にあった出来事か、はたまた伝説に過ぎないのか、いまだに議論されています。
私はロマンを大事にする質なので、実際にリンゴが落ちるのを見たという観点でその理由をお話しします。

  • ニュートンの実家にはリンゴの木があった。

ニュートンの実家の庭には、リンゴがありました。
残念ながら、そのリンゴの木は今はそこにないのですが、その子孫が世界各国にあります。
苗木というやつで広まったんですね。

日本では、倉敷工業高校さんの敷地内や、私のお気に入りの場所である東京文京区の小石川植物園にあります。
まあ、日本に来るにあたっては、いろいろとドラマがあったようですが、それはまた別の機会に。

  • ニュートンの実家にあったリンゴの木の種類は、ケントの花。

このリンゴは生食用というより調理用であり、ネットでは”とてもまずかった”という意見が散見されます。
元々調理用なので、そのまま食べるとあまりおいしくなかったのかもしれませんが、それよりも気になることがあります。
それは。

  • ケントの花の実は、自然に落ちたものを回収する。しかもその後熟させると、おいしくなる。

おそらく、ネットでの”とてもまずかった”というのは、

・木になっているものをもいで食べた。

・落ちてすぐの物を食べた。

のどちらかの可能性があります。

まあ、この”おいしいかどうか”はこの際置いときまして。
重要なのは”自然に落ちたものを回収する”というところです。

よく”ニュートンがリンゴの落ちたのを見られたはずがない。なぜなら、その前に収穫されていたはずだから”というのを見ますが、これは間違いですね。
ニュートンの実家の庭にあったケントの花の実が落ちたところをニュートンが見ることは可能でした。

でも、そのタイミングで彼が実家にいなければそれを見られないのですが、はたしてどうだったのでしょう。
それについては、以下の情報があります。

  • ニュートンは偶然実家に帰っていた。理由はペストの流行。

ニュートンが万有引力の法則を発見したのは、”驚異の緒年”と呼ばれる1665~1666年のことです。
なぜ脅威かというと、この2年間で万有引力だけでなく、微分・積分とプリズムの分光に関する研究もほぼ完成させていたから。
ニュートンがノリにノッていた時期と言えるでしょうね。

で、そのころヨーロッパではペストが猛威を振るっていたため、ニュートンはケンブリッジ大学から実家に疎開していたんです。
これにより、「ニュートンがたまたま実家に長期滞在していた時に、万有引力の法則を発見した」ということがわかります。

どうですか?リンゴが落ちたことと万有引力の発見が結びついてきましたよね。
では、最後に”ニュートンがリンゴの落ちたことを見て万有引力を発見したのかどうかについて、私の主観的な意見を述べます。

  • 天才といえども、何かひらめく時には”きっかけ”が必要なことが多い。

例えば、ケクレという化学者がベンゼン環(例の亀の甲といわれる炭化水素)を発見したのは、夢の中で、何匹かの蛇が互いのしっぽを咥えてわっかになっているのを見たのがきっかけと言われます。
また、アインシュタインが等価原理(大雑把に言うと、重力と加速度は同じ、という考え方)を思いついたのは、屋根から職人が落ちた時に、体がふわっと浮いたような感じがした、というのを聞いたのがきっかけと言われています。

このように、天才と言えども重要な何かを思いつくには、”きっかけ”が必要なのです。
私はこれを、

”天才” + ”きっかけ” = ”大発見”

という式にしてみました。

リンゴのエピソードに否定的な方の中には、
「我々がリンゴの落ちるのを見ても万有引力の法則を発見できない。だからリンゴの落ちるのを見て万有引力の法則を発見したというのは信じられない。ニュートンが万有引力の法則を発見できたのは、彼が天才だったからだ。」
という意見もあります。
私も、大発見をされた方々が天才だったことはその通りだと思いますし、そういう意味からニュートンさんが大天才だったことに異論は全くありません。

しかし、私が提示した式、”天才” + ”きっかけ” = 大発見、から考えると、大発見のためには”天才”と”きっかけ”の両方が必要なのです。
そして、その”きっかけ”が、万有引力の法則では、「リンゴが落ちたのを見た事」だったと考えられないでしょうか。

ということで、今回はおしまい。
ちょっと時間がかかりましたが、ここからハッパをかけて1位の方まで一気に進めていきたいですね。
何といっても、その1位の方にとって、今年はちょっと特別な年ですので。
それではまた、次のネタでお会いしましょう。

前の記事:私の好きな科学者・技術者 第4位 レオナルド・ダ・ビンチ

次の記事:私の好きな科学者・技術者 第2位 ガリレオ・ガリレイ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です