大阪市立自然史博物館 特別展 「きのこ!キノコ!木の子!」

不思議大好きの、まんぼうです。
毎日猛暑が続いています。
でも、博物館としても夏は気合の入った特別展の時期。
今回は、大阪市立自然史博物館で開催中の特別展「きのこ!キノコ!木の子!」に行ってきましたのでご紹介します。

地下鉄の長居駅を出たところ(長居公園の入り口)にはこんな看板が出てます。

キノコっていうと、やっぱり食べ物でしょ?/そうですね、やっぱり入り口はそこになります

この反応、当然ですよね。
私もやっぱり、そうおもいましたし。
なので、やはり導入は”台所からはじめるきのこ観察”だったりします。

スーパーなどで売っているキノコをずらっと並べてありました。
エリンギだのヒラタケだのシメジだのマイタケだの・・・
普段から様々なキノコを食べてるんだなぁ、としみじみ感じました。
で、確かにどれをとっても”キノコ”というのわわかるんですけど、そういえば形がかなり違ってますよね。
どんなところを見ればよいかを、食べ物でおなじみのキノコで説明してあります。
・傘の形 ・柄の形 ・傘の裏はヒダなのか、穴なのか(穴は”管孔(かんこう)”といいます)
というところが注目点だそうですね。
で、キノコの栄養の取り方に3種類あって
・枯れ木や落ち葉を腐らせて栄養を取る       → 腐生菌
・他の生物に入り込み、一方的に栄養を奪う     → 寄生菌
・他の生き物と共生関係を結んで栄養を分けてもらう → 共生菌
となるんだそうです。
食べ物コーナーでここまで突っ込むのは、栽培の簡単さを理解するためですね。
腐生菌は、おそらく結構簡単なんです。
シイタケ、マイタケ、ブナシメジなんかですね。
それに対して、共生菌は難しい。
目的のキノコ以外に、”ともに生きる”ものも何とかしないといけないからですね。
マツタケ、ホンシメジがこれにあたるようです。
ホンシメジは最近ようやく栽培されるようになったそうでし、マツタケはいまだに栽培できていません。
(近い種類のバカマツタケが栽培に成功したとの報告が上がったところだそうです)
ちなみに、ホンシメジはアカマツやコナラの木と、マツタケは色々なマツ科の木と一緒に生きるそうです。
つまり、これらの木を生かしながら、しかもほかのキノコが生えないような(生えにくいような)条件を作らないといけないんです。
ね、難しそうでしょ?
まあ、そのほかにもマツタケは昔たくさん採れたのに、近年めっきり減った理由とか、色々書いてありました。

最初っから飛ばし気味だけど、それだけで終わりじゃないよね?/はい、さらに興味深いキノコの世界が紹介されています

当然です。
ここまでは、行ってしまえば”準備運動”。
ここからが本番です。
続くテーマは、”きのこを調べる手がかり”でした。
先ほどの”傘、柄、ヒダまたは穴”からさらに少し進んで、
・胞子はどうなのか(色、顕微鏡で見た形)
・ヒダや管孔(=穴)の形・つき方
・柄についたツバやツボのつき方(ツバやツボは、キノコが若い間に胞子やヒダを守っていた膜の名残だそうです)
まあ、最終的にはDNAを調べるそうですが、そこは私たちには無理なところですよね。
で、これらの特徴で私たちが何とか見分けられそうな27グループの特徴をバンバン紹介してくれます。
さあ、皆さん、スマホのご用意を!(片っ端から写真に撮っていきましょう)
というのも、ここで紹介される27グループを覚えると、野山で見かける”それなりに大きめの傘と柄のあるキノコ”については、8割くらい見当がつけられるとのことです。
注意:決して触ってはいけないキノコが存在します。
その名はカエンダケ。
後半で出てきますので、ご注意ください。

ほほう。見分けられるようになって、どうするの?/キノコの研究をしましょう

当然、研究するのです。
その第一歩として、「標本を作る」という作業があります。
最後のほうに、乾燥させて保存する方法も出てきますが、ここでは”記録を残す”ということを中心に教えてくれます。
・いつ ・どこで ・誰が ・どんな場所で ・どんな風に(周りの状況や生え方)
から始まって、
・色 ・形 ・匂い ・触ったときの変化 ・味(これはちょっと素人はやめたほうが・・・)
・大きさ ・スケッチ ・顕微鏡観察
までまで。
ね?まさに「研究」でしょ?
こんな趣味を持ったら、それこそ野山を歩くのが楽しくてしょうがないだろうな、と思います。

いやあ、おなか一杯。そろそろ締めですか?/いえ、ここでは紹介しきれませんが、まだまだ奥は深いのです。

なにをおっしゃるのですか?
まだまだ続くのです・・・
今までのキノコとはちょっと違う変わったキノコとか、研究者の描いたキノコのスケッチとか、標本とか・・・
はい、ブログなんかでそのすべてはお見せできません。
ぜひぜひ、実際に展示をご覧ください。
ということで、ここからは駆け足で
・冬虫夏草という変わったキノコ
・キノコと昆虫の関係
・変形菌という、キノコの仲間ではないのにキノコっぽい妙なやつ
・主な毒キノコ

これが主な毒キノコだそうですが、実際は知られていない毒キノコがまだある可能性があるそうです。
見分け方も難しく、虫は平気で食べているのに、人が食べると死んでしまうものも・・・
「命をかけるほど美味しいきのこはありません」とおっしゃる通り、下手に手を出すことは危険です。
・薬用のキノコ
それでは、唯一触ってはいけないキノコ カエンタケを紹介します。


カエンタケの乾燥標本(上)とスケッチ(下)
乾燥すると色が悪くなるようで、色はスケッチを参考にするとよいでしょう。
広葉樹の枯れ木あたりによく映えるそうです。(ブナ枯れが起こったところが要注意のようです。)
他のキノコは、食べなければ大丈夫なので、カエンダケに気を付けつつ、キノコライフをエンジョイしたいところですね。

はあ、ようやく終わりかね?/いえ、最後にキノコの芸術が残ってます。

最後にもう一つ。
キノコって結構いいビジュアルしてますよね?
ということで、芸術作品になったりもします。

身近で奥深い、そして興味の尽きないキノコ。
ぜひこの特別展で、皆さんもキノコの世界をのぞいてみてはいかがでしょうか。
(私は完全にノックアウトされて、キノコに惚れてしまったかも?)

さて、次はどんな不思議が待っているのでしょう?

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