宇宙創成 (上)(下) サイモン・シン著

不思議大好きの、まんぼうです。
今日は久しぶりに科学書籍のレビューです。

今回ご紹介しますのは
宇宙創成 (上)(下) サイモン・シン著
です。
なんかSFっぽい名前ですね。
確かにサイエンスを扱っていますが、ただのフィクションではないようです。
多分、多少の脚色はされてると思いますが。
どんな事がかかれているかというと、
人が、いかに真剣に宇宙を理解しようとして来たかについての壮大な物語
が書かれています。

具体的にはどんな感じ?

古代から現代までの宇宙に関する理論の発展です。
神話の時代から、ギリシャ時代を経て、ルネサンス期に入り、現代へと繋がる、知の冒険物語です。
有名人は一杯出てきます。
ピタゴラス、プトレマイオス、コペルニクス、ケプラー、ガリレオ、ニュートン、アインシュタインなとなど。
その名前を見てるだけで、わくわくします。

何かに役に立つことってある?

壮大な物語ですから、役に立つかどうかは重要ではないと思うんですがね。
でも、役に立っちゃうんですよね。
私なりに、役に立ったなと思ったアドバイスは次の通りです。
「偉い人が言ったから、昔からこうだから、常識だから、という理由で何かを盲目的に信じてはいけない。」
「自分に都合の悪い事を、頭っから否定しない。一応、頭に入れてから、自分で考えて自分なりに答えを出す」
「結構変わった考えだなと思った思いつきは、人を選んで話す」
いえね、上記の三つがそのまま文中に出てくるわけじゃ無いんですよ。
例えば一つ目で言うと、「昔の偉い人が言ったことだから」とか、「アインシュタインが言ったから」とかで、それを盲目的に信じてしまった結果、科学の進歩がかなり遅れる場面があったんですよ。
二つ目では、「宇宙が膨張するのを認めると、宇宙に始まりがあったことになって都合が悪い。だから反対」という態度が、科学の進歩を遅らせることになったりね。
最後の一つは、地動説支持を高らかに宣言した為に、死刑になった人がいたというお話がありました。
話す相手は選ばないと、身を滅ぼすこともあるって言う事ですね。
でも、案外、この3つ、やってしまうこと(またはやってしまう人)が多いような気がします。

役に立つのは分かったけど、ぶっちゃけ面白い?

唐突ですが、皆さん、地球は丸いってご存知ですか?
馬鹿にするな!ですって?
確かに、そんなのは常識です。
でも、それが正しいこと、説明できます?
できる人も多いでしょうけど、案外難しい。
だって、自分が感じる地面は、絶対”たいら”ですから。
でも、色々と考えてみると、やっぱり地球は丸いと考えざるを得ない。
例えば、
・水平線のかなたから船が近づいてくるのを見ると船の上のほうからだんだん見えてくる。
・月食の時の月のかけ方が円弧を描いている。
などですね。(1つ目は実体験ではないのですが)
でも、地球が丸かったら、人はどうして落ちないんでしょう?
まあ、重力があるからというのは常識ですが、それ、説明できます?
いやあ、さすがにこれは素人では難しいですよね。
でも、星(といっても月とか太陽系の惑星ですが)の動きを計算していくと、星同士が引っ張り合っていると考えないとうまくいかない、とか説明できてはいます。
何が言いたいかというと、現在、我々の中で常識となっていることは、決してすんなりと証明されてきたのではないということ。
あっちの穴に落ちては、こっちの溝にはまり、そっちの石につまづいたと思ったら、目の前の壁にぶち当たる。
そんな感じで、色々な失敗、仮説を踏み台にして出来上がってきたんです。
そんな、失敗や間違いにくじけることなく、”本当のこと”を求めて進んできた人類の歩み。
それが面白くないはずがない、と思うのです。
まあ、読んでみてください。

それで、私の希望としては、この本を通じて、科学というのを、今より少しだけ、人間っぽいものと感じてもらえたらいいな、と思っています。

ということで、いつもの本よりは、少しだけ柔らかめの本をご紹介しました。
夏休み(お盆休み)にチャレンジしてみるのも一興ではないでしょうか。

それではまた、次の不思議でお会いしましょう。

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