10万年さかのぼった初期人類の文化の起源 Natureダイジェスト 6月号

不思議大好きの、まんぼうです。
今回は、人類学のお話。
物理・化学・生物の誰でも無いので少し不安。
でも、とても面白そうなネタです。

ぶっちゃけどんな話?

今回のお話は、人間っぽい行動の痕跡が、今まで考えてたより10万年くらい前の遺跡から見つかったよ、ということのようです。

つまり、人類が今まで考えてたより、10万年くらい前からいたって事?

当たりでもあり、外れでもありますなぁ。
そもそも、人類というのは、ホモ・サピエンスだけでも無い様で。
よく、人類の進化というと、お猿さんから始まって、だんだん二本足でまっすぐ立つ様になって、最後の現代人、という図が出てきますよね。
でも、あれはもう古いらしいです。
今は、
・昔はいろいろな種類の人類がいた。
・それらが、あるものは滅び、あるものは他のものと統合し、最後に残ったのが我々である。
ということの様です。
ということで、ここでいう人類を「我々」とすると、先ほどの見出しは間違いですね。
でも、「いっぱいいたであろう人類のうちのどれか」、と考えるなら正しいと言えます。
人類、つまり人ってのは一筋縄では語れない様で。

じゃあ、その、人ってのは何?

この定義も難しい。
道具を使う、というのがよく言われますが、これはちょっと決め手に欠けます。
というのも、カラスですら道具を使いますね。
じゃあ、道具を作るのはどうかというと、これもイマイチです。
というのも、オランウータンも道具を作りますし、一部の鳥も確か道具を作って虫をとったはずです。
で、この論文では、何をもって人らしい行動と言ってるかというと、
・交易
だそうです。
別の言葉では、社会的ネットワークとも言ってますね。
まあ、つまりは交渉ってことですかね。
確かに、自分と相手の意見を互いに理解し有って、何かを決めるというのは、人っぽい行動と言えます。

それで、今回見つかったのは何?

今回見つかったのは、
・32万年以上前の遺跡から、中期石器時代時代の特徴を持った道具や行動の痕跡が見つかった。
という事の様です。
中期石器時代の道具って何かと言うと、簡単に言えば、
“小ぶりながら性能の良い石器”
みたいですね。
皆さんご存知の黒曜石も使われています。
で、この黒曜石の産地が、石器の出た遺跡から25〜50キロメートルも離れたところなんだそうです。
少なくともその距離、黒曜石を運んだのは間違いない訳です。
あと、一緒に出土した色の付いた石に、ノミで削った様な跡もあったみたいです。
おそらく顔料として使われたのではないかと考えられます。
顔料!?もしかして絵を描いていたのかな?と思ってしまいますが、そうとばかりは限りません。
単なる目印の様な符号もあり得ます。
しかし、たとえ単に”綺麗だな”くらいに思っていただけとしても、そこには何かしらの意味があったと考えられますね。
そうでなければそんな面倒な事、しないでしょうから。

まとめて下さいな

以上まとめますと、
・人っぽい行動は今まで考えられていたより、結構前から行われていたみたいだよ。
です。
ただ、この行動の主が、ホモ・サピエンスだったかどうかには、この論文は触れてないみたいです。
そうなると、
もしかして、この行動の主は、今生き残っている人とは違う人類だった可能性ってないかな?
ひょっとして、交易の相手は、ホモ・サピエンス以外の人類ってこともあり得るのでは?
と言う具合に、夢が広がる訳ですね。
しかも、この論文に引き続き、この遺跡で見つかった黒曜石は、39万6000年前の物だったと言う続報を作成中だそうで。
いやが上にも高まる期待、です。

で、それがわかると何の役に立つの?

えーと、そろそろその思考回路から抜け出しませんか?
少なくとも私には何の役に立つのか分かりません。
論文にも書いてないもしれません。
(少なくとも、ダイジェストには見当たりませんでした)
私にとって、役に立った事を敢えて一つ書くなら、
めっちゃ楽しかったし、これからの展開も楽しみ
という事です。
そういう科学があってもいいと思いますし、そういうのを受け入れる環境って大事かもしれません。

さて、次はどんな不思議に出会うのでしょう。

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