パンケーキ形の奇妙な化石は最古の動物だった Natureダイジェスト2018年12月号

不思議大好きの、まんぼうです。
お約束通り、今日はディッキンソニアを取り上げます。

まず、ダイジェストから。
「パンケーキ形の奇妙な化石は最古の動物だった」
”パンケーキ~”というのは、ディッキンソニア(Dickinsonia)です。
オーストラリア国立大学のJochen Brocksのチームが、ロシア北西部の白海沿岸で見つかった、有機物や資質が完全に保存された状態のディッキンソニアの化石を分析しました。
実は、このような状態で見つかる化石は非常にまれで、Brocks氏は「ディッキンソニアのミイラのようなものです。これらの化石を見つけられたのは信じられないほど幸運なことでした」と語っていたそうです。
彼らが注目したのは、環状脂質の”ステロール”。
動物はコレステロールを合成し、他の生物(植物など)はほかのステロールを合成するそうです。
で、調べてみた結果は、ディッキンソニアの化石では93%がコレステロールでした。
よって彼らは、”ディッキンソニアは動物であった”と結論付けています。
ただ、ディッキンソニアが生息した時代である”エディアカラ紀(Ediacaran period)には、その他の生物もいました。
ランゲオモルフ(Rangeomorphs)もその一つです。
このシダ様の生物も、動物なのか植物なのか、その生態も含めてよくわかっていません。
彼らの次の研究課題はこれなんだそうです。

と、以上が要約です。
次からは、私が少し掘り下げてみた情報です。
情報の出どころは、ほとんどWikipediaです。

・ディッキンソニア(Dickinsonia)
新原生時代(Neoproterozoic)エディアカラ紀(Ediacaran period)に生息した生物。
エディアカラ生物群(Ediacaran Fauna)の代表的なもの。
海底に生息していて、這うように移動していた、とか実は地衣類だったとか、色々と解釈が分かれている生物。
大きいものでは1.2 m(Natureダイジェストでは1.4m)にもなる。

・新原生時代(Neoproterozoic)
地質時代の区分の一つ
一般に先カンブリア時代(Precambrian ageまたはeons)と呼ばれる大きな区分の最後にあたる。
古いほうから、トニアン(Tonian)、クライオジェニアン(Cryo-genian)、エディアカラン=エディアカラ紀(Ediacaran period)に分かれる。

・エディアカラ紀=エディアカラン(Ediacaran period)
エディアカラ生物群(Ediacaran Fauna)が生息していた時代。
6億2000万年前~5億4200万年前。

・エディアカラ生物群(Ediacaran Fauna)
オーストラリアのアデレード(Adelaide)北方にあるエディアカラ丘陵(Ediacaraという場所の丘です)で大量に発見される生物の化石群。
他にはカナダのニューファンドランド島(Newfoundland)やロシアの白海(Beloe More)沿岸でも見つかる。
殻や骨格を持たない、柔組織だけでできている生物。

と羅列してきました。
つまり、ディッキンソニアが生息していたエディアカラ紀には謎が多く、その生物たちの生態(動物なのか植物なのかを含めて)は謎に包まれているようです。
しかも、エディアカラ生物群の生物たちと、その後のカンブリア爆発後の生物たち、そして我々との関係は、やはり謎なのです。
今回の研究成果は、それらの疑問に一つの光明をもたらす可能性がありそうですね。
今後の展開に注目です。

ということで、ディッキンソニアについてはおしまい。
次は同じくNatureダイジェスト2018年12月号から、私の中で科学者部門3大ヒーローの一人、ガリレオ・ガリレイについての新発見をご紹介します。

それでは、次回もまた、おもしろ不思議でお会いしましょう。

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