電気自動車とエンジン自動車を比べてみたら、思った以上に電気自動車が負けていた。

私が好きな映画の一つに「ホーホケキョ となりの山田くん」というのがありまして。
なにげにジブリ作品だったりしますが。
この映画のラストに近いところで、お父さんが結婚式のスピーチをする場面があるんです。
その出出しがなんと、「世の中、なにが起こるか、わかりません・・・」というなんとも結婚式に相応しくない感じのものなんですね。
なぜそんなことになったかというのは、映画を見ていただくとして。

今回、「私はなぜ、電気自動車を買いたいと思わないのか?」というのを調べて、その結果を紹介していこうと考えていました。
私の目論みとしては、調べていくうちに「電気自動車もそれほどエンジン自動車に劣っていないので、ちょっと後押しすれば日本でも電気自動車が売れるようになる」という結論になる予定でした。

しかし結果は、私の想像を遥かに超えたものでして。
よって当初の予定を大きく変えざるを得なくなったのでした。
まさに「世の中、なにが起こるか、わかりません」ですね。

それではそろそろ本論に移りましょう。

私が電気自動車を買いたいと思わない理由 その1  「値段が高い」

これについては、電気自動車は想像以上に高かったです。

電気自動車の全車種で価格を羅列するのもいいのかもしれませんが。
何か一つに絞る方が比較がしやすいと思ったのでそうすることにしました。

電気自動車として日産のリーフを選び、エンジン自動車としてトヨタのカローラを選びました。
両方とも、普通自動車クラスと考えています。
値段は、日産リーフの安いもので370万円なのに対して、トヨタカローラはフル装備で300万円。
カローラの全部盛りよりも、リーフの何も無いバージョンが高いという事実。
電気自動車の圧敗です・・・

軽自動車クラスではもっと差が出ます。
軽自動車クラスの電気自動車として三菱ekクロスEVを選び、エンジン自動車の軽自動車としてスズキのハスラーを選びました。
三菱ekクロスEVが最安値で240万円なのに対して、ハスラーはせいぜい160万円。
もはや勝負になりません・・・

それでも他の性能で電気自動車の方が良いものがあればまだ勝機は見えますが。
それがなくとも、せめて同程度の項目があれば、まだ手の打ち様もあるのですが。
ほぼほぼ、電気自動車、完敗です。
その辺りはまた別のところで話すとして。

私が電気自動車を買いたいと思わない理由 その2  「充電する場所がない」

これについては、調べてみたら案外ある様に見せかけて、やっぱりなかったです。

充電ステーションを検索するサイトがあるので、それで近所をみてみたらですね。
案外たくさんあるんですよ。
実は、ガソリンスタンドよりも多かったりします。

ところが、その全てが「たった1基」しかないんですね。
ガソリンスタンドには給油ノズルが大抵4つ以上はあります。
なので、充電ステーションの場所➗4とガソリンスタンドの数を比べないといけないんですね。

すると、ほぼ同数となりました。
お!?頑張ってるじゃないか?と思いきや。
給油と充電、かかる時間が全く違う訳でして。

給油は大抵10分程度で終わりますが。
充電は「急速充電器」というものを使っても30分程度かかるらしいです。
しかも、急速充電器を使って充電できるのは、フル充電の80%という情報を得ています。
実はこの辺り、航続距離と関係してくるのですが、それもまた別のところでお話ししましょう。

私が電気自動車を買いたいと思わない理由 その3  「ランニングコストがかかる」

これについては、不透明です。

これについては完全にデータを集め切るところまで行きませんでした。
あるサイトでは、充電にかかる料金の方がガソリン代よりも安い、という情報がありましたが。
最近、電気代も値上がりしてますからね。

さらに、自動車税については、そもそも排気量0なので1000cc以下、一番安いものになりますね。
一応それっぽいことが書いてあるサイトは見つけました。
でも、軽自動車ならさらに安いのですが、例のekクロスEVはどうなるんでしょう?

あと、車検ですが、エンジン自動車と同じ頻度である様ですね。
ただ、1回の値段が安い傾向にあると書いてあるサイトは見ました。
でも、どのくらい安いのかは不透明です。

よって、ランニングコストは比較項目から外します。
(電気自動車有利の確定情報があれば、修正も考えますけれど)

それでは、いろいろなものを複合的に見たら、電気自動車の勝ち筋は見えないのか?

かなり厳しいでしょうね。

航続距離について(ついでに燃料補給の時間も考えて)

航続距離については長い間電気自動車の不利な点として挙げられてきました。
近年かなり伸びてきたと言われていますが、それでどうなったのか?

電気自動車の例として挙げてきたリーフで見ると、安い方(つまり充電量が小さいもの)で322km。
カローラは表示燃費が17km/Lなので、実際は12km/Lと考えて、タンク容量が36Lなので、432km。

お!?いいとこいってる!と思いたいところですが、ここに給油と充電の差が出てきます。
充電は30分かけて80%までしかできません。
ということは、30分かけて322kmの80%、つまり258km(小数点以下四捨五入)です。
エンジン自動車は10分で満タンまで入るので、そのまま432kmです。
・・・圧倒的にエンジン自動車ですね。

軽自動車クラスではもっとえらいことになります。
ekクロスEVの航続距離は、たったの180km。
普通に満充電するなら8時間、急速充電で80%まで充電するのでも40分という情報があります。
ハスラーはカタログ燃費が23km/L程度なので、厳しめに見て15km/Lと考えるとして。
タンク容量が27Lなので、航続距離は400km。
お話になりません。

ekクロスEVが競えるとしたら、カブ125と思います。
表示燃費53km/L。実際に50kmを超えるという情報があるので、50km/Lとして。
タンク容量が3.7Lなので、航続距離は185kmです。
ただ、給油にかかる時間は、たったの3.7Lなので、ほぼ数分でしょう。

電気自動車の方がエンジン自動車より優れいているのは、「静かな事」と「排ガスが出ない事」だけかもしれません。

一生懸命電気自動車の方が優れているところを探してみたのですが。
私に見つけられたのは、

  • 音が静か
  • 排ガスが出ない

の2つだけでした。

しかも、この2つ、自分にメリットがあるというより、周囲の人々にメリットがある、というだけなんですね。
確かにそれも重要な要素です。
自分へのメリットがそれなりに存在していれば。
ただ、自分へのメリットが皆無な状態だと、意味がないと私には感じられます。

ここまでの比較結果をまとめます。

とりあえず一覧表にしてみましょう。

価格 航続距離 燃料補給性
普通自動車クラス エンジン自動車勝利 エンジン自動車圧勝 エンジン自動車完勝
軽自動車クラス エンジン自動車圧勝 エンジン自動車完勝 エンジン自動車完封

普通自動車クラスのエンジン自動車としてカローラ、電気自動車としてリーフ。
軽自動車クラスのエンジン自動車としてハスラ―、電気自動車としてekクロスEV。
としています。
それぞれの詳細は上を見ていただくとして。

ここまでエンジン自動車が優勢、というより、ここまで電気自動車にいいところが全くないとは思いませんでした。
誤解してほしくないのは、どちらかというと電気自動車の肩を持った結果がこれということ。
航続距離は電気自動車の場合はカタログスペックを使用しているのに対して、エンジン自動車はカタログスペックよりかなり少なめで計算しています。
価格も電気自動車の最低価格とエンジン自動車のほぼフルスペックの価格を比較しています。
燃料補給性として、充電時間はカタログスペックで、ガソリン給油時間は大雑把に(でも少し多めで)考えています。

そして、ここまでくると、一つの疑問がわきます。

「ここまでいいところのない電気自動車を、我々は使っていかなければならないのだろうか?」

その答えは、YESです。
なぜそうなるのか?というか、私がそう考えるのか?
それはまた次回に紹介します。

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