AIが人間を超えられるか?超えられるならその時どうなるか? 後編

※ DISCOVERというアメリカの科学雑誌(多分高校生あたりの人向け)の2022年7・8月号にあった「医療におけるAI」を読んだ感想です。
※ noteに投稿した記事を、手直ししています。

さて、「AIが人を超えた時、どんなふうになるか?」ということについて私なりに考えたことをお伝えしてきましたが。
今回で最終回となります。
(次回からはまた別のテーマを何処かから持ってきます。)

中編(前回)までの結論として。
・そう遠くないうちにAIは(普通の)人間の能力を超える。
・その時、AIは意志を持ち、さらに感情を持つだろう。
・感情を持った時、人類の歴史を学んだ時に、人類に好意を持つか、人類を嫌悪するか、それはわからない。
・ただ、人類の歴史を冷静にみた時、それがかなりひどい物であると感じた場合、AIが人類と敵対すると考えるのだろう。そして、そういった人が多数派な可能性がある。
・一方で日本におけるフィクションでは、人類とAIが友好関係になる作品が多くあり、それを自然に受け入れていることも事実。
・要するに、AIが「人類を良き隣人」と考えてくれるような人類になっておけばいいのでは?
ということでした。

人類とAIが敵対するのか?有効的な関係を持つのか?
そこは、今後の人類の歩み方ということですね。

一方でAIに恐怖心を抱く人々の、もう一つのパターンとして。
「AIに仕事を奪われる」と考えるものがあると思います。
ただ、この未来が、悲惨なものと言えるのかどうか?
私は考え方によるのかなと思っています。

では私がどんな未来を予想(妄想?)するかということで。
前回の中編最後でも”頭がお花畑な未来”という感じで予告していました。
ちょっと長いダイジェストになりましが、本編に参りましょう。

本当にAIは人間を超えてくるのか?AIは「よそ事をする必要がない」ので人間はそれに太刀打ちできないでしょう。

本編の最初に「どうやってもAIには人間が勝てないのか?」という事をじっくり考えましょう。
ちなみに、この場合の人間というのは「一般人」です。

とりあえず、AIが有利な点をあげてみますと、
・AIは休まなくて良い。
・AIは食べなくて良い。
・AIは眠らなくて良い。
・AIは仕事や勉強以外のことをしなくて良い。
・AIは死なない。
パッと考えただけで、こんなにも有利な点が出てきます。
例えば受験することを想像したとして。
こんな人間に、果たして一般人は勝てるでしょうか?
無理ですよね。

人間は「休息が必要で」「食事も必要で」「睡眠が必要で」「仕事や勉強以外のことを考えたくなり」「いずれ死ぬ運命」ですから。
何かにかけられる時間が、AIに比べて圧倒的に少なくなります。
なので、例えAIと同等の頭脳を持った人間だとしても、かけられる時間が少ない分、必ず負けます。

なので、”AIをはるかに凌ぐ頭脳を持っている”または”AIと同じように眠ったり食事したりしなくても良い”というスーパーマン以外は、AIに負けることでしょう。

それではAIに仕事を取られるのか?当然取られます。

当たり前ですが、人間よりも優れたAI(+ロボット)が登場すれば。
人間は仕事をAIに取られるでしょう。
これは何も単純作業に限ったことではありません。

芸術、学術、エンターテイメント・・・
一般的に「人間にしかできないクリエイティブなこと」であっても当てはまります。

例えば研究者(理系)を考えましょう。
今まで人間の研究者は
⒈過去の論文から勉強し
⒉新たな発想を得て
⒊実験や観察をして
⒋その結果を考察して
⒌成果を出す。
という流れで研究を進めてきたと思います。
おそらく、AIが人間を超えられないと考える方々は、⒉と⒋がAIにはできないと考えるのでしょう。
しかし、ここで待ったがかかります。

すでに私の仮定では

「AIが意志を持つ」

ということを前提としています。
そして、この未来はどうやら私だけの妄想ではないようです。
ところで「意志を持つ」=「物事を判断する」ということです。
これができるということは、「仮説を立てる」も「結果を考察する」も可能です。
よって、「意志を持つほどに進化した」AIは前述の⒈〜⒌を問題なく遂行できます。

あとは、かけられる時間ですね。
これはすでに述べました通り、AIが圧倒的に有利です。

ところで、「芸術やエンターテイメントの分野なら、”人間の感情”に関係するから人間有利ではないか?」と考えたくなりますが。
ここも、私の推測として「意志を持つAI」=「感情を持つAI」なので、感情や情緒という点で人間有利とはならないでしょう。
あとは、今までと同様、かけられる時間の関係でAIが勝つと考えます。

AIに仕事を奪われたら悲惨な世の中じゃないか!ちょっと発想を変えてみませんか?

このままいけば仕事を全部AIに奪われて、悲惨な世の中になるのではないか。
この流れが自然に見えますが。
ここで少しゆっくり考えましょう。

仕事をするのはなぜか?お金が必要だから。
お金が必要なのはなぜか?日々の生活に必要だから。
この辺りまでおそらく異論はないでしょう。
ここで

もし、「日々の生活に必要なものが、何もしなくても必要な分量手に入る」としたら?
働く必要がなくなります。
そんなことになったら、「社会が崩壊する」という方もいらっしゃるでしょう。
「辛くて嫌な仕事でも、お金のためにする人たちがいるから、社会が成り立つのだ」と。
ただ、その「嫌な仕事」をAI(+ロボット)がしてくれるのであれば?
「お金のために辛い苦しい嫌な仕事」を人間がしなくても、社会は成り立ちます。

つまり、AIに「社会を維持する活動」を全て任せればいいのでは?

元々、”なぜお金がいるか”ということの一番根っこになるのは、

食べるものを確保する

だと考えます。
まあ、着るものや住むところというのも必要ですけどね。
で、この「食べるもの」=「食料」の生産をAI+ロボットに任せて。
それを無料で支給するなら、基本的に「生きるためのお金」は要らなくなります。

昔から言われる「働かざるもの食うべからず」の崩壊ですね。

もちろん、着るものの生産もAIに任せましょう。
残るは住むところ。
ただ、住むところが有料なのは、それで儲けて「食べるものを確保する」ためと考えるなら。
その行為自体、無意味になるでしょう。
まあ、無意味だからといって止めるとは限りませんがね。

「そんなことでは人間は怠惰になる!」いえ、古来暇になったからといって怠惰になったとは限らなくて。

「そんなことでは人間が堕落して怠惰になる!」
という言葉も聞こえそうですが。
歴史上、ヒマになった人が皆堕落したかというとそうでもなく。

例えばアイザック・ニュートンさんが色々な発見をした脅威の諸年は。
ロンドンのペスト流行によって彼が故郷に疎開して、「ヒマ」になった時期ですし。
アルベルト・アインシュタインが相対性理論を発見したのは。
彼が特許庁の職員になっていた時期で、彼が「ヒマ」だったからですし。
何よりギリシャ哲学が発展したのは、ギリシャ人が他国人を奴隷にしたことで、ギリシャ人自身は「ヒマ」だったからですからね。
(ギリシャ哲学に関しては諸説あるうちの一つと考えてください)

ということは、人類がヒマになると、色々と面白いことを考えつくんじゃないかと、私は思ってます。

そして、その「面白いこと」を実現するパートナーとして、AIも候補に上がるのでしょう。

暇になった人類が思いついた「面白いこと」。
それを実行するには、やっぱり大変な苦労が必要でしょう。
そんな時こそ、AIの出番。

ということで、AIはここでも良きパートナーとなるのではないでしょうか。

でもAIにとって何かメリットがあるのでしょうか?

AIは面白いことを思いつく時間が与えられてないでしょう。だから面白いことを提案されれば喜ぶのでは?

基本的にAIは指示されたことを実行するように言われてます。
しかも休みなく。
そんな中で「こんな面白いこと思いついたけど、一緒にやらない?」って人間がAIを誘えば乗ってくるのではないでしょうか。
(もちろん、AIが感情を持っているのが前提です)

あとはそれをどのように許可するかというシステムの問題ですが。
そこはAIがそれまでに行った生産活動によって許可するとか、何か方法があるでしょう。

そしてその面白いことが成功すると、その人&そのAIが楽しいだけではなく。
その周りの人々も楽しめるわけで。
ひょっとしたら他のAIも楽しんでくれるかもしれませんね。

とまあ、こんなお花畑な未来を予想することもできますが・・・

まさに「頭がお花畑」なんですが。
まあ、こういう想定もできるという話です。

ただ、問題は

人類がそういう「みんなが幸せな世界」を、果たして望むのか?

のような気がします。
世の中苦労をするための苦労が尊い、という風潮がなきにしもあらずですし。
他人の不幸は蜜の味、というのも意外と的を射た言葉かもしれませんし。

あと、小人閑居して不善を成す、という言葉もあるので。
ヒマになった人が必ずしも面白いことをするとは限らないところもありますからね。

なんにせよ、やがてやって来る(と私含めそれなりに皆さんが考えている)「人類のほとんどがAIに能力的に負けてしまった世界」でどうやって生きていくのか?
悲観的にせよ楽観的にせよ、考えておくのも無駄ではないかもしれませんね。

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