今さら「もしドラ」2

趣味を作ることが趣味の、はしびろこうです。
あっという間に終わってしまったお盆休み。
その時の良い思い出は、姉妹ブログ(科学系ブログ)の”まんぼうのごとく”で紹介しました。
(京都府立植物園のことです)

今日は、お盆休みの前に読んで、色々と考えさせられた「もしドラ」についての、2回目の投稿です。

前回のテーマは、「もしドラの集団である高校野球チームと営利団体の企業の違いについて」でした

もしドラのテーマである高校野球チームと、ドラッカーの「マネジメント」のテーマである「営利団体である企業」の違いについて。
前回は「顧客」について掘り下げました。
高校野球チーム(非営利団体)の顧客がステークホルダーとして考えられるなら、逆に営利団体である企業の顧客もステークホルダーと考えるべきではないか?
もしそうなら、顧客には従業員や取引先企業(特に下請けさんや外注さん)も入れるべきなのではないか?
それを怠り、お客様だけ、またはステークホルダーの中でも企業の上層部や株主(出資者)のことだけを考えたことで、日本の企業は落ちぶれたのではないか?
という視点で軽くお届けしました。

これをそのまま深掘りして、いかにして日本の企業が落ちていったかをみていっても良かったのですが。
それではちょっとつまらないと思いまして。
もう1つの「高校野球チームと企業の違い」について、今回はお話しします。
(もちろん、これは私の個人的な感想ですので、異論はあると思いますが)

高校野球チームと企業の違い2〜〜メンバーの目標を一致させやすさ

高校野球チームのメンバーは、たとえ夢物語であったとしても、誰しもが甲子園出場(さらにその先の優勝)を目指すと考えます。
どれほど弱小なチームであっても、どれほど伝統のないチームであっても、目指せるのであれば甲子園に出たいと思う、そうではないでしょうか。

しかし、企業の構成員(つまり従業員)は、そう言った単純な目標でまとまりません。
もし共通項があるとするならば、「自分及び家族の幸せ」ではないでしょうか。
それは言葉では同じであっても、決してその内容は同じではありません。
当たり前ですね、自分にとって、他の従業員は他人であり、その反対もまた真です。
さらに自分にとっての「家族」は、他の従業員にとっての「赤の他人」です。
だから、初めから従業員が一丸となって、というのはほぼ幻想であると言っても良いでしょう。

非常に稀な例として、会社の危機に際してだけは例外になるかもしれません。
なぜなら、会社がなくなるかもしれないという危機は、自分の危機であり自分の家族の危機であり、他の従業員の危機でしかもその家族の危機でもあります。
こういう場合は目標が一致することが自然に行われて、その集団が普段考えられない力を出すわけです。
これ、経営者にとっては美味しい状態ですよね

この美味しい状態を、無理やりに作り出そうとするのが、いわゆる「洗脳セミナー」

先ほどの美味しい状態になると、従業員はサービス残業、休日出勤を厭わなくなります。
経営者としては、常にその状態になってくれればウハウハです。
でも、会社がずっと危機にあるのもつまらない。

だから、「洗脳セミナー」で従業員を洗脳するのです。
それにお金をかけるのは全く苦にならないとでもいうように、大金を積んで社員をセミナーに参加させるのです。
そして、社員たちの洗脳が全て解けるまで、こき使い続けるというわけです。

そこまであからさまにしない場合は、昔の偉い起業家の出した本を読ませます。
「なんちゃら哲学」とか「ほにゃららフィロソフィー」とかです。
それを無理やり朝礼で読ませて、弱いながらも洗脳をかけようとします。

これ、実は短期的には良くても長期的には最悪の手だと思います。

なぜ最悪か?それは顧客(つまりステークホルダー)の一員である従業員が不幸になるから

顧客を設定し、その求めるものを提供することを考えるのが、マネージメントの基本だと。
ドラッカーの「マネージメント」には書かれているようです。
(もしドラを読んだ限りでは)

もしそうであって、私が考える通り「顧客=ステークホルダー」が成り立つのであれば。
従業員の求めるものを提供できない企業活動は、全くもって間違っていることになります。
そして、洗脳で従業員をこき使うことは、従業員(とその家族)を不幸にするのですから。
本来、マネジメントにおいて、絶対にやってはいけないことになります。

それでも、一部の企業の経営者は、それを行い続けてきたと見受けられます。
「24時間死ぬまで働け」とか「利己になるな利他になれ」とかね。
その結果、確かに一時的にその企業は成長したでしょうし、その経営者も大金持ちになったでしょう。
でも、日本全体としては、どんどんと落ちていっているというのが現状。
そりゃそうですね。
自分の会社の従業員は、他の会社のお客さん。
そして他の会社の従業員は、自分の会社のお客さん。
どの会社も自分の会社の従業員を痛めつけていけば。
どの会社のお客さんも、疲れ切ってしまって、良い買い物をしてくれなくなりますからね。
そんなこともわからずに(もしくはわかった上で)、突っ走った末に出来上がったのが、「失われた30年」という負の遺産。

あまりに、悲しく、愚かな出来事だったように思います。

さて、今回もこの辺りで終わっておきましょう。
3回目も一応ある予定です。
テーマは「もしドラの中のチームと、現実社会のチームの違いは?」にしようと思っています。
少しネタバレですが、もしドラの中で主人公が属するチームは、ある時を境に急成長を遂げます。
それにはある条件があって、よく読めば普通の集団がそのようになることはあり得ないというのがわかるのですが。
なかなかそれに気づかないのではないでしょうか?
特に、この本で感銘を受け、ドラッカーの「マネジメント」を読んで会社の改革を目指したような、中小企業の若き経営者の方たちは。
まあ、次回は身も蓋もないことを言ってしまうことになるので、一見すると絶望しかないように見えるかもしれませんが。
その先にある、うっすらとした希望もちゃんと語る予定でいます。

それではまた、次のネタでお会いしましょう。

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