(しかもできるだけ大きいやつを)

  • 内容
    学研の実験キットシリーズ「プリズムと光の研究」を使用して、とりあえず虹を作ってみた。
    その後、キットの中のプリズムだけを使って、できるだけ大きな虹を作ることにチャレンジした。
  • 使用物
    ・学研の実験キットシリーズ「プリズムと光の研究」
    ・大きな段ボール
    ・白い紙(今回はプリンター用紙を使用)
    ・ゼムクリップ、木工用ボンド、ハサミ、黒マジック など
  • 下調べ
    プリズムで虹を作ることを分光といいます。
    ”光を分ける”と言うことなのですが、どう分けるかと言うと、色で分けます。
    私達の目が”光”と感じるものは、電磁波の一部で可視光という領域です。
    電磁波には波の性質があって、いろいろな長さの波を持った光があります。
    この波の長さを波長といいます。
    可視光について、私たちの目は波長の違いを”色”として感じ取ります。
    波長が短いほうから紫・藍・青・緑・黄色・だいだい・赤となっています。
    (虹の七色ですね)ところで、光は直進するということを聞いたことはないでしょうか。
    まあ、確かに何もなければまっすぐ進むんですが、
    ある物質を進む光が斜めから別の物質に入ったとき、光は曲がります。
    (例えば、空気中からプラスチックに入るときなど)
    これを屈折といいます。
    この屈折ですが、実は色(つまり波長)によって曲がり方が違います。
    波長が長いものほど曲がりにくく、短くなるにつれて曲がりやすくなります。
    さて、太陽光線はどんな光でしょうか。その性質は大まかに
    1.平行光線である。
    光の方向が揃っているということです。
    つまり、直径2センチの1円玉の影は、ある程度の範囲で2センチになります。
    あ、スクリーンは斜めにしないでください。
    あと、あまり離れすぎないでください。
    (影の輪郭がぼやけて、そのうちに影がなくなります)
    (この理由は、結構難しいです。
    ひとつには、光は太陽の方向からだけ来るわけではない、ということです。
    いろいろなものにぶつかって回り込んでくるような光もありますから。)
    2.白色光である。
    20行くらい前を見てもらったときに、”白”色と”黒”色がないじゃないか、と思いました?
    実は、人が”白”とか”黒”と感じるのは、いろんな波長の光が均等に混ざったとき、”なんです。
    光が多いときは”白”と感じ、少ないと”黒”と感じるのです。(中間なら灰色ですね)
    つまり、太陽光線はいろんな波長の光が均等に混じっているのです。ここで、その太陽光線を屈折させてやるとどうなるでしょう?
    そう、紫は良く曲がり、赤はあまり曲がらない、その間の光はその曲がり方に応じてその間を埋める、
    と言うように、広がるわけです。それが”虹”を作るのです。
    曲がり始めのところではその差は小さいのですが、遠くなればなるほど大きく広がります。
    ただし、もともとの光の量は同じなので広がれば広がるほど薄く(=暗く)なっていきます。
  •  戦略キットを作る際には”きあい”がいります。
    あと、木工用ボンドとクリップ(ヘアピンでも代用できそう)を用意しましょう。
    普通の”のり”でくっつけたくらいでは、はがれてしまいます。
    クリップは、ボンドが固まるまで固定するのに使います。大きな虹を作るためには以下の事に気をつけました。
    1.  強い光を使う
    太陽光が一番強いのは南中時(つまり昼の12時)です。
    夏至が一番太陽光の強い時期ですが、梅雨時なので難しいでしょう。
    入梅前の5月ごろか、梅雨明け後の7・8月を狙うと良いでしょう。
    今回は8月の中ごろに実験しました。
    2. プリズムからスクリーンまでの距離を長くする。
    広くて暗い場所にうまく光を導かなければなりません。
    今回は大きな段ボールを使って、簡易の暗室を作りました。
    3. スリットを細くしすぎない。
    スリットを細くすれば、虹はシャープになります。
    しかし、スリットが細い=光の量が少ない ですので、
    暗い虹になってしまって、下手をすると見えないかもしれません。
    大きな虹を作るのですから、シャープさには目をつむりましょう。
    適当に考えて、スリットの幅は5mmとしました。
  • 過程と結果
    まず、学研の実験キットシリーズ「プリズムと光の研究」を組み立てました。

    これが、そのキット。
    所要時間は2時間。
    貼り付けは木工用ボンドで行い、ボンドが固まるまでクリップやヘアピンなどで固定しました。

    ボンドが固まってから実験を開始しました。できるだけ太陽光が強い正午近辺を狙う事にしました。
    ただ、朝のうち曇っていたので、太陽が完全に顔を出した11:00ごろから作業を開始しました。
    なお、風が強かった(結構高いところに住んでいた)ので、実験装置を手にもって操作を行いました。
    スリットを通過した光が、中央に着けたプリズムの中心をとおるように方向を調整し、虹ができるようにプリズムの角度を変化させました。
    今回は、虹の写真を撮ることも目的の一つでしたが、肉眼でくっきり見える虹は、写真ではただの”光の帯”となることがわかりました。

    上の写真は、肉眼でははっきりとした虹なんですよね。


    上の写真のように、わざと暗めの状態にすると、写真で見てきれいな虹になりました。
    (肉眼では、かなり暗いと感じたようです)

    大きな虹を撮影するためには、以下のようにしました。
    1. 大きな段ボール箱のふたを開けた状態にして、開けたふたが手前になるようにした。
    (これが簡易暗室ですね)
    2. 黒く塗ったプリンター用紙の中央付近に3cm ×0.5cmの穴をあけ、スリットとした。
    (確か複数枚使ったような気がします。そうしないと光が漏れた覚えが・・・)
    3. 段ボール箱の上面・中央付近に3cm×1cm程度の穴をあけ、そこにスリットを張り付けた。
    4. 段ボール箱の中に入り、スリット穴の真下にプリズムを持っていき、その角度を調整して虹を作った。(超アナログです。)
    5. 4で作った虹の場所を覚えておき、そのあたりに白いプリンター用紙を張り付けスクリーンとして、再度プリズムで虹を作った。
    6. 妻に頼んで、虹の撮影をしてもらった。(セルフシャッターを使えば、何とかなるかも・・・)

    大体5cmくらいの虹になりました。
    もう少し工夫すれば、もっと見栄えが良くなるかもしれません。
    例えば、スクリーンをちょっと丸くしてみるとか。(青い光が伸びているのは、スクリーンに対して斜めに入っているからです。)