大阪市立自然史博物館 「日本の鳥の巣と卵427」展 後編

不思議大好きの、まんぼうです。
今回は、大阪市立自然史博物館で開催中の「日本の鳥の巣と卵427」展 後編ということで、実際に会場で撮影した写真を使いながら、雰囲気なんかもご紹介していきます。
それでは早速。
関連記事のリンク:
大阪市立自然史博物館 「日本の鳥の巣と卵427」展 前編
大阪市立自然史博物館 「日本の鳥の巣と卵427」展 番外編

まず、鳥にとっての「巣」とはほぼ”子育ての場所”です。

鳥にとっての「巣」は私たちにとっての「家」とはちょっと(かなり)違います。
鳥たちは、普通「巣」で暮らしません。 では「巣」をどう使うかというと、”子育ての場所”として使います。
なので、鳥の巣は子育てに特化した機能をもっている、ということになりますね。 私がこの特別展を見ていく中で感じた”鳥の巣に必要な機能”は、まず、

  • 卵がどこかに行ってしまわない事。

次に

  • 卵が壊れない事。

のようです。
なので、最低限、多少のくぼみがあり、そのくぼみがあまりごつごつしていない、というものでないといけないようです。
実はこの最低限の機能を持っただけの鳥の巣がありまして。 ヨタカの巣(?)なんですが。
あまりに衝撃的過ぎて、上の巣をあまりとってませんでした。(ので写真がありません。申し訳ない)
小海途
さんによると、ヨタカは巣を作らないんだそうです。
彼がこの巣を採取できたのは、たまたま卵のある時に見つけた友人に場所を教えてもらい、その場所をマーキングしておいたからだそうで 確かに実物を見ても、腐葉土の真ん中がほんの少しくぼんでるかな?ってだけの物でした。
つまり、腐葉土の上で卵が転がらないような最小限のくぼみを見つけて、卵を生んだんですかね?(あくまで私の想像ですが)

巣を作る場所は様々です。

鳥の巣と言えば、木の上にある籠のようなものを想像してしまいます。
せいぜい、キツツキの巣が木の中(空洞)にある、くらいでしょうか。
でも、そんなものではありません。 まず、地面に直接作る物もあります。 ベニアジサシの巣

ベニアジサシの巣です。
そんなところに作ったら、すぐに見つかるのでは?と思うのですが、どうも人や獣があまり入らないような所や見つかりにくいような場所に作るのかな?と思いました。
実際にベニアジサシの巣は、造成地の地面に作られていたそうで、あまり人が立ち入らないところのようです。

マガモ巣

これはマガモの巣。
地面ではありますが、植物の陰になるように作ってあるようです。
見つからないように気を使っているわけです。

もちろん、木の上に作る鳥もいますが、実は草の中とかにも作る鳥もいます。 ヨシゴイの巣

ヨシゴイの巣です。 どうです?うまく草の間に作っているでしょう。
こういうパターンは低いところにあるものの、うまくカムフラージュされているな、と感じました。

実は水上に作る者もいまして。 カイツブリの巣

カイツブリの巣です。
ボートのような巣ですね。
しかも、これ、水に浮かんでいれば、ただの枝の塊にしか見えませんので、多分カムフラージュの機能も備えているのではないでしょうか?(私の想像ですが)
お見事です。
ちなみに、ビニール紐らしきものが入った巣もありますが、これはカイツブリがその辺の”浮いているもの”を使って巣を作ったからだそうで。
まあつまり、汚れていたわけですね、水面が。

あとは、土の中に作る鳥もいます。 カワセミの巣 カワセミなんですがね。
大昔に本で読んだ記憶によると、体ごと崖に突っ込みつつ穴を掘る、ということだったと思うのですが。 ・・・深い・・・深いですよこれ。 youtubeで確認しましたけど、確かに最初は体ごと崖に(といっても土の壁ですが)突っ込んでいっています。
多分ある程度掘った後は、説明パネルに書いてあった通り、くちばしと足で穴を掘るのでしょう。(私の想像ですが)
でね、問題はこれをどうやって「採取した」のか?
特別展が終わるまでは、ちょっと答えを伏せておきましょう。
小海途さんの、それはもう、血のにじむような苦労があったとだけ言っておきます。

実は、この50年程度で鳥たちの繁殖地に変化が出てきています。

鳥の巣だけを見ていると見逃すのですが、壁には鳥たちの繁殖地分布の変化がパネルになって展示されています。
それを見ると、

  • ここ最近みられるようになった鳥(外来種が主ですね)
  • 最近、繁殖地が広がった鳥
  • 最近、めっきり繁殖地が減った鳥

などなど、いろいろな鳥がいることがわかります。
「なんか、ムクドリがこの10年くらいでとても増えたように思いますが、どうでしょうね?」
「最近、今まで見なかったきれいな鳥をよく見かけるけど、あれは何だろう?」
そんな普段なんとなく感じる事ともにこのパネルとみると、「なるほど」、と思うことや、「えっ、そうだったのか」と思うことが沢山あると思います。

とにかく、見どころいっぱいの特別展です。

鳥って、とても身近な存在ですよね。
しかも、なんだか身の回りの変化を教えてくれているような気もしますし。
それに。例えばカラスのようなちょっと嫌な感じがする鳥にしたって、よくよく見ると、とても面白い(かわいい?)ものだったりします。
(というか、私はかなりのカラス好きだったりします。)
この特別展は、そんな身近な鳥たちを、改めて一度見直してみるきっかけになると思います。

さて、これで本編は終わりです。
が、実はこういった特別展ではプラスアルファの楽しみがあるんです。
そう、それは、「コラボグッズ」です。
今回、鳥がテーマということで舞い上がってしまい、そこそこの散財をしたのですが。
それは次回に「番外編」としてお届けしましょう。
それではまた、次のおもしろ不思議でお会いしましょう。

リンク: 大阪市立自然史博物館

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