ルネサンスとは何だったのか? その6 ルネサンスの始まり

不思議大好きの、まんぼうです。
久々の「ルネサンスネタ」です。
(4か月ぶりですからねぇ)
ではさっそく。
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と、その前に、お約束ですが、このブログの中で”イタリア ルネサンス”という言葉を使っていますが、この言葉はここだけで通用する言葉です。
他のところでいっても「??はっ?」となるので注意してください。

ルネサンスで、どのように変わったのか(絵画について)

ルネサンス以前の絵画の特徴を一言でいうと
”動きがない”
ということにつきます。
表情に乏しく、ポーズもワンパターンで、背景もないか、あってもおまけ程度、遠近法もなくぺったりした感じ。
理由はいろいろ考えられるのでしょうけど、私は
”このころの絵の役割が、布教を目的としていた”
からではないかと思います。
メッセージを伝えるだけであれば、むしろ”動きがない”方がわかりやすいかもしれませんしね。
ただお金持ちになったメディチ家の人々はにとっては、どうやらこの”動きのない”ことが物足りなかった模様です。
「マリア様は、もっと母性溢れる慈愛のほほえみをたたえていたほうがいい!」
というような感じだったのでしょうか、そうした絵をかいてもらうように働きかけたと思われます。
実際、このころから描かれる人物に動きが出てくるようになります。
表情が、ポーズが、そしてスタイルが、どんどんリアルになっていきました。

ルネサンス3大巨匠現る

こうした中で、ルネサンス三大巨匠と呼ばれる三人の天才があらわれます。
レオナルド、ミケランジェロ、ラファエロですね。
三人が生きた時代は、オーバーラップしながら少しずつ違います。
 >レオナルド・ダ・ビンチ     1452 – 1519年
 >ミケランジェロ・ブオナローティ 1475 – 1564年
 >ラファエロ・サンティ      1483 – 1520年
この中で、自然科学に最も関係した人はレオナルドですね。
ですので、彼を取り上げて話を進めます。

レオナルド・ダ・ビンチ

すでに示しました通り、彼は1452年に生まれ、1519年に亡くなっています。
彼が生まれた翌年、1453年に東ローマ帝国が滅亡しました。
すでに書きました通り、この出来事がルネサンスの始まるきっかけの一つとなりました。
また、彼が亡くなった8年後、1527年にローマ劫掠が起こります。
ローマ劫掠と言うのは、ローマ教皇とローマ皇帝との間の戦争末期に、ローマ教皇軍がローマに攻め入って暴虐の限りを尽くした出来事です。
これによりローマは衰退・停滞期に入り、ルネサンス(美術史では盛期ルネサンスとなりますが)が終わります。
興味深いことに、レオナルドさんはイタリア ルネサンスの始まりに生まれ、彼が生涯を閉じると程なくイタリア ルネサンスも幕を閉じたわけですね。
さて、彼は芸術家として有名ですが、ルネサンス三大巨匠のほか二人と違うのが、科学者(どちらかというと、技術者?)としても有名なことです。
グライダーやヘリコプターもどきの絵が有名ですね。
そういった有名なものの一つに、人体図があります。
両腕を開いて上下していて、足は閉じた状態と開いた状態か、両方描いてある、アレです。
ウィトルウィウス的人体図、といいます。
さらに、レオナルドさん、解剖学もかなり深く研究してました。
全ては絵をリアルに描くためだそうです。

科学の視点から見たルネサンス。キーワードは「リアル」

レオナルドさんが目指した「リアル」。
これが、科学視点から見たルネサンスのキーワードだと思います。
リアル=現実にそったもの を目指すためには、実物にあたるのが近道です。
例えばレオナルドさんは、自ら熱心に解剖を行いました。
昔の文献を調査するのも効果的ですね。
レオナルドさんもローマ時代の書物も調査したと考えられます。
その証拠として、前述の彼が描いた人体図が挙げられます。
これは、正式名称「ウィトルウィウス的人体図」と言いますが、古代ローマの建築家ウィトルウィウスの「建築論」をもとにして描いたものです。
その上で、実際に解剖して文献に書いてあることを確かめる、という作業をしたんでしょう。
レオナルドさんに限らず、ルネサンス期の芸術家達は、リアルである事を追求していました。
リアルである事の追求は、やがて芸術の分野だけにとどまらず、他の様々な分野に波及していきます。

さて、今回はこれまでとします。
レオナルドさんの事は、いずれもっと掘り下げてご紹介したいと考えています。
次回からは、芸術から哲学、宗教に波及していったリアルである事の追求が、科学につながっていくところをお伝えしたいと考えています。
それでさまた、次のおもしろ不思議でお会いしましょう。
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