「発見されたガリレオの手紙から新事実」その1Natureダイジェスト 2018年12月号

不思議大好きの、まんぼうです。
今回は、Natureダイジェストネタです。

Natureダイジェスト2018年12月号から
「発見されたガリレオの手紙から新事実」
をご紹介します。
シリーズでお届けしますが、1回目はNatureダイジェストの内容を、なるべくそのままでお送りします。
まず概要を抜き出しますと

『1回目の異端審問で証拠とされたガリレオの手紙には、版が2つある。
ガリレオは、主張(つまり言葉遣いでしょうか)の柔らかいほうが原本で、裁判所には手が加えられたほうが送られたと周囲に話していたが(つまり、裁判所に届いたほうが、過激な言葉だったということですね)、事実は違うようだ。』

ということで、失われたと考えられていた、ガリレオの手紙の原本が発見されたわけです。
こう見えて、「日本科学史学会 会員」の身としては、食いつかざるを得ない内容ということです。
では続いて、本文の要約を書いていきます。

『ガリレオの地動説について最初に書き記した手紙の原本が、ロンドン王立協会の図書館で偶然発見された。
蔵書目録に、間違った日付で登録されていたため、今まで気づかれずにいたのだ。

この手紙は1613年12月21日付(ちなみにガリレオの異端審問1回目は1616年)で友人である、ピサ大学の数学者、ベネディット・カステリ(Benedetto Castelli)にあてて書かれた、7ページにわたるもの。
これには修正箇所が散見されるが、筆跡鑑定により、この手紙が”ガリレオの自筆”であることが示唆された。

発見者はベルガモ大学(University of Bergamo)の科学史研究者Salvatore Ricciardo。
2018年8月2日に別の目的で王立協会に来ていた時に、偶然発見した。
この手紙は、目録の上では1613年10月21日となっていた。(本当は1613年12月21日)
なお、王立協会の目録でも同じく1613年10月21日となっていた。
こうしたことで見落とされていたのではないかと、Ricciardoの共同研究者Giudiceは言っている。
この件については、王立協会の学術雑誌、Notes and Recordsに2018年10月24日に掲載された。
著者はSalvatore Ricciardoと同じくベルガモ大学の共同研究者、Franco Giudice、カリャリ大学(University of Cagliari)のMichele Camerota。
なお、一部の科学史研究者は、論文精査後までコメントを控えたいとしている。

今回見つかった手紙の内容をかいつまむと
「聖書にしるされた天文学的な事象への言及はわずかであり、それを文字通りに取るべきではない。
なぜなら、聖書の筆記者たちは、民衆が理解しやすい様に、記述を簡素化しているからだ”
ということ。

では、どのような修正が行われていたかというと

・「文字通りの意味に解釈すれば間違っている」
”間違っている”が、”真実と異なるように見える”に修正。

・「(聖書はその最も基本的な教義を)隠している」
”隠している”が、”ベールで覆っている”に修正。

以上です。
どうです?なんかワクワクしません?
一番気になったのは、「日付、特に月が間違っていたこと」。
数字で書くと、10月と12月は、間違えても不自然じゃないのですが、
英語ならOctoberとDecember、イタリア語ならottobreとdicembre、結構違うので間違えなさそうな・・・
(ちなみに、Natureのニュース(?)ではDecemberがOctoberに間違われていた、と書いてますね)
だとすると、敢えて違う日付にすることで、見つからないようにした?
もしそうなら、いったい誰が??
なんて考えると、ドキドキしますよね。
続報を期待したいところです。

次回は、ガリレオの2回の異端審問と、その周辺について調べたことを中心にお送りします。
それではまた、次のおもしろ不思議でお会いしましょう。

次の記事
「発見されたガリレオの手紙から新事実」 その2 Natureダイジェスト2018年12月号より

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