【緊急特集】遂に重力波をつかまえた!?

こんにちは。はしびろこう楽園 園長のはしびろこうです。
今日は、久々の”科学の心”カテです。
といっても、いつもの様に実験ネタではありません。
おそらく自然科学界でも稀に見る、ビッグニュースについて、みなさんと一緒に楽しみたいと思ったのです。
ネタは、”ついにつかまえた!!ブラックホール同士の合体で発生した重力波検出”です。
このニュースは、先週の金曜日、2016年2月12日、日本の早朝に流れました。
早速、会社で、いつも科学ネタの話をしている方と色々と面白く討論をしていました。
しかしながら、その時に情報として持っていたのは、
・どうやらLIGOというアメリカの研究機関が見つけたらしい。
・ブラックホール2個が合体した時の重力波を観測したそうだ。
・LIGOは二本の直行する長い建物でできているから、きっとマイケルソンの干渉を使った検出器を使っているのだろう。(この予想はこの話を持ってきた方がしていたものですが、ズバリ正解でした。)
ということくらいで、なんとも煮え切らない状態でした。
そんな訳で、この週末を使って、関連論文を一つ読んでみました。
1999年8月のPHYSICS TODAYに乗った論文で、LIGOが動き始めるちょっと前あたりのものです。
この論文で知ったのですが、重力波については、1974年に見つかった連星パルサーの研究で、ほぼ決まりになっていた様ですね。
その存在についてはもっと前の1916年に、みなさんご存知のアインシュタインさんにより特殊相対性理論で予言されていました。
とはいえ、実際に観測しないと、”こうだ!”と言い切れない部分があるわけですよ。
今までの素粒子(素粒子ではありませんが、中間子とか)も、観測されることで、その分野の発展スピードが加速したりしましたし。
ということで、なんとかして重力波を観測しようと重力波望遠鏡なるものを作ったわけです。
すごいですよ、この建物。
先ほどの直行する二本の長い建物、両方ともなんと4㎞もあります。
さらに、その中の光が通るところの長さは、とっても正確に作られています。
それでもって、重力波が来た時の、2つの建物の歪みを検出しようというんです。
いわば、”勇者”の行動とでも申せましょうか。
でもね、世の中、この建物を歪ませようという力は無数にありまして、例えば
・小さな地震
は、もちろんのこと
・人間の活動
はては
・風が吹いた
・水が流れた
なんてことでもほんの少し歪みが出るわけです。
こういうもの(ノイズですね)との戦いを制し、検出感度を常に上昇させ続けて、
ようやく先日の快挙になったわけです。
立派ですねぇ。
で、この論文を読んで、もう一つ感心したのは、その動機(研究意義とでもいうものでしょうか)についてです。
彼らはこう言っています。(かなりの意訳です)
「宇宙物理学者にとって、重力波の検出というのは、今までとはとっても違う新しい視点からの宇宙というものを見せてくれます。…こうした新しい視点からの研究で、重力波は我々にエキサイティングな驚きと予想もしないような新しい宇宙物理学をもたらしそうです。」
ね?「みんなの生活の役に立つ」系のことが書いてないでしょ?
あるのはただ、
「この研究で、とってもエキサイティングな何かが見つかるはず!」
という、強烈な訴え。
実は、日本でも同じ様な施設を建設中なんです。
KAGRAっていうんですけどね。
この施設のホームページにも、似た様なことが書いてありました。
いやぁ、物理学者という方々、感服すると同時に羨ましくもありますね。
まあ、しばらく注目していきたいと思っています。
ついでに、今まで読もうと思っていながら、ちょっと二の足を踏んでいた、
宇宙関係の本など読みながら。

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