科学者は、データを見せる時に嘘をつかないだけでは不十分です。

趣味を作ることが趣味の、はしびろこうです。
連日COVID-19について報道されています。
日々状況が変化していて、政府の決定も朝令暮改状態です。
ヤフコメのほうも、なんだか、発言の叩き合いが激しくなっています。
ただ、その中に、未来を考えるような雰囲気のコメントも出はじめているのが、ある程度救いのような気がします。
それはさておき、今日は一昨日見た記事をご紹介しつつ、私の考える未来についてお話していきたいと思います。

一昨日久々に数字で日本でCOVID-19ついて解説している記事がありました。

こちらがその記事になります。
新型コロナ、日本で重症化率・死亡率が低いワケ
この件に関しては、様々な仮説が立てられてはいるものの、決定打になるものが出てきていない状態です。
ま、最近、かなり信憑性のある論文が出て、私もちょっと読んでみてますが。
今回の記事もそれを前提に書かれています。
中々詳しく、論理的に書かれていたのですが、ちょっと気になるところが。
大まかに要点を書くと、
日本では、交差免疫という物でCOVID-19のウィルスを撃退している人が多いそうです。
これは抗体による免疫ではなくて、普通の白血球(確か私の読んでる論文では、CD4とCD8 T細胞だったと思います)による免疫。
日本人のこの普通の免疫による撃退率は欧米の5倍。ただし、この数値の根拠は曖昧だと書いています。
とにかく、日本においては、それほど怖くないんだよ、ということ。
交差免疫については、私も認識していて、いわゆるファクターXになりうる要素かもしれないと思っています。
なので大きくは賛成なのですが、いくつかの点で気になったことがあります。
その辺りを書いていきます。

正直であるというのは、ウソをつかないことではないんです。

1番気になったのは、日本における年代別重症化率でした。
20代では10万人あたり5人と言いながら、30代から50代では1万人あたり3人になり、60代で1000人あたり1.5人、70代で1000人あたり3人としていました。
有効数字の関係とおっしゃるかもしれませんが、ここはわかりやすさをとって何人あたりというのを揃えるべきでしょう。
若者が10万人あたり5人重症化するところ、お年寄りは300人が重症化するの様に。

もう一点少し気になることがあったんです。
私は常々、紛らわしいところや、単なる仮定のところ、私の考えなどは、なるべくわかりやすく示してます。
あと、間違ってるかもしれないところも、その直後に「間違ってたらごめんなさい」って書く様にしてます。
ですが、その筆者は、議論に入る前には「データがない」ということを言っただけ。
そのあと、すぐにシミュレーションの話にもっていってるんです。
そして散々仮定の数値を使って議論して、色々断言した最後に、なんとなく目立たない様に
「この計算は仮定をもとにしているので・・・信憑性は低い・・・」
の様な事を書いてるんですね。
これもまた、どうかなと思うんです。

科学者が信頼をとりもどすためには、ウソをつかないことに加えて、紛らわしくない様に書く必要があります。

先ほどの重症化率は、”何人あたり何人”とという数値に嘘はないんですね。
でも、”10万人あたり5人”と”1000人あたり3人”を並べて見せる事で、紛らわしくなるんです。
計算すればわかるんです、お年寄りは若者の約60倍程度重症化しやすいことに。
でも、ちょっと油断すると、あんまり変わらないな、って誤解してしまうんです、見えてる数字があんまり変わらないので。
だから誤解を招かないように、どちらも10万人当たり◎人とすべきなんです。
(1000人あたりだと、0.05人とかになって、これも少なく見えすぎますからね)

最後にまとめて、「ここでの計算は、仮定をもとに計算しているので信憑性が低い」と言うのもそう。
そこまでの議論がきっちりしているほど、この一文を読み流してしまいやすいはず。
入り口で「データがない」と言いながら、すぐにシミュレーションに関する詳しい話を始めるのもそうですね。
「ああ、仮定の話だね」っと思った瞬間にシミュレーションの話で、「あ、ちゃんと考えてるな」と上書きしてるんですよ。

だから、議論を始める前に、仮定の話である事、仮定の数値を導入する時に、この数値がえいやっのものである事、最後に、仮定に基づいた計算だが、現状に合っていた事、を書くべきなのです。
数値をもとに議論すればするほど、そこに慎重になるべきでし、あくまで仮定の話だと強調すべきなんです。

もう一つ、暴露率が30%〜45%程度にしているところも、どうでしょう?
色々計算した結果、とだけ言ってますが、多分日本の現状に合う様に調整したのでしょう。
でもこの数値、ここまでの感染確認者数と整合性が取れるのでしょうか?
初期の頃に検査数を意図的に絞っていた関係で、一時的に東京都での感染確認者率が35%を越えたこともあったようですが。
もちろんその数値が、東京都の感染者率と同じとはとても思えず。
どんな値を使うかわかりませんが、もしこちらからのアプローチを全くしていないなら、かなり計算結果の信憑性に疑問符が付きます。
多分考えていらっしゃるでしょうし、そうであれば、今までの全国における平均感染者率を何か設定しているでしょう。
その数値をのせておけば、我々もその妥当性を、感覚的にであっても、確認できたでしょう。

そんな風にする理由は、もし仮説が間違っていた時に、読者が「騙された!」と感じない為に、です。

仮説なんですから、間違っている事だってあり得ます。
当然なんです。
だって、我々はまたなる相手と戦ってるんですから。
かと言って、仮説を立てずに確証の持てるデータだけで考えることは、してはいけません。
そうすると、データ不足になり、動きが鈍り、その結果、対策が後手後手にまわるから。
だから我々は、きちんと仮定を提示した上で、その結果こうなりましたと説明しなければなりません。
できる事なら、考えられる反論・指摘に対しての回答も準備しなければなりません。
それが、自分の主張が崩壊する可能性を示すものであっても。
当たり前ですが、仮定が崩れれば、結論も意味をなさなくなり、それに沿った議論は崩壊しますからね。

もし仮定がわかりにくい状態で説明していて、将来その結果と違う状態になってしまったとします。
すると普通の人は、
「なんだ!あそこで言っていたのはウソか!私をだますつもりだったのか!!」
ってなると思うんです。
でも、きちんと仮定を前面に出して説明していれば、「ああ、あの仮定が間違ってたんだね。悪意はなかったんだね。だますつもりはなかったんだね」と理解してくれやすいと考えますが、どうでしょう?

もう一つの理由は、ご飯論法でないことを示すため。

ご飯論法、こんな名前がついているのは初めて知りました。
Aさんに「今朝ご飯は食べましたか?」と聞かれたBさんが「いいえ」と答えたけれど、実はBさん朝にパンを食べていたというたとえですね。
Bさんはご飯を食べずにパンを食べていたので、嘘はついていないと主張します。
そして、それは論理的には正しい。
しかし、Bさんを正直者と評価する人がどの程度いるでしょうか?
特に、Aさん側の人で。

つまり、嘘ではないが紛らわしい事を言って、あとで「嘘ではなく、誤解だった」と主張しても、信頼を失うことに変わりはないのです。
それよりも、誤解を受けそうなところは、これでもかってほどに説明して、あとで違っていた時に「ごめんなさい、仮定が間違ってました」と素直に言う方が、信頼を失いにくいはずです。
まあ、笠に着て攻撃する人は出るかもしれませんが。

科学者はもちろんですが、政治家・経済学者・医療関係者・マスコミの関係者の方、すべての方が誠実に、冷静になるべきです。

今我々国民は、あまりに強烈な不安の中で暮らしています。
中には、その不安に耐えきれず、考えるのをやめて、何もしない状態になっている人もいます。
なので、影響力のある方々が、国民に信頼される情報を発信し、信頼される行動をとり、信頼される結果を、信頼される形で見せねばなりません。
こうすることで、国民が目指すべき未来をイメージして、そこに向かう道を自分たちで判断して取れる様になります。
ある意味でこれが、COVID-19に対する集団免疫として働くのではないでしょうか?
科学者と経済学者は、その前提・仮定をはっきりさせた上で、今後の予想を立てます。
できれば、対応策コミで。
それを受けて、政治家の方が、判断基準をはっきりさせた上で、方針を示します。
医療関係者の方は、リアルタイムで検査の状況と、受け入れ態勢に関する情報を提供します。
そして仕上げは、マスコミの方々が、変に色をつけることなく、正直に正確に全てを報道します。
我々国民は、それを受け取り、やけにならず、あきらめず、過剰反応せず、パニックにならず、冷静に受け止めて自然体で実行する。
必ず、この病に勝ち続けられると言う信念のもとに、ね。

今日はここでおしまい。
まあね、頭がお花畑なことは自覚してますがね。
ただ、理想を持ち、それに向かう道を模索することが、悪いことだとは思えないんですよね。
もちろん、私の知らない情報がいっぱいあって、状況も私が考えるほど単純ではないでしょう。
それでも、「どうせ、もう、どうしようもないんだぁ」とかいって、達観した風を装うのだけは、我慢できないのです。
意味がないと言われても、悪あがきだと罵られても、
「必ず、解決できる。道はきっと見つかる!」
と思い続けようと思っています。

次はちょっと楽しい話題の方を書きたいな、と思っています。
それではまた、次のネタでお会いしましょう。

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