京都文化博物館 「ターナー 風景の詩」

趣味を作ることが趣味の、はしびろこうです。

とってもご無沙汰しています。
この1月半の間、はしびろこうは「地獄」を歩いていました。
約半月にわたる長期出張と、その後の体調不良(インフルエンザではなかったのですが)。
身も心もボロボロで、とりあえず、すべての進行中プロジェクトを中断せざるを得ませんでした。(ダイエットとか、編み物とか)

それでも、まあ、明けない夜はない、ということでしょうか、なんとか体調も戻りまして。
これから本格復帰していきます予定です。

さて、復帰第一号の投稿は、「美カテ」です。
一つ目が、京都文化博物館で開催中の「ターナー 風景の詩」です。
ターナーさん、それほど”メジャー”ということもないですよね。
それでも、一応美術検定3級のメンツとして書かせていただくなら、
「イギリスのロマン主義。最も早く機関車を書いたことで有名。
”雨・蒸気・速力ーグレート・ウェスタン鉄道”の作者」
というところですね。(8割がた教科書からの抜粋ですが)
あと、夏目漱石の「ぼっちゃん」で、”赤シャツ”と”野だ”の会話中に出てきます。
とある島の松が、ターナーの絵に出てくるものにそっくりだとかなんだとかでね。
実はわたくし、”ぼっちゃん”をすべて読んだことがないんですよ。
じゃあ、なぜ知っているか、ですって?
まあ、私の編み物の師匠は、美術鑑賞の師匠でもあるんですな、これが(妻のことです)。
ちなみに、”ぼっちゃん”のほうは、今超特急で楽しく読んでます。

さて、ここからターナー展の感想に移っていきますが、その前に。
・ターナーが活躍する時代のイギリスでは、”ピクチャレスク”と”崇高”という2つのキーワードを理解することが必要。
・ピクチャレスクとは、まさしく現代の”インスタ映え”。つまり、絵になる風景。
ちょっと崩れかけた廃墟とかそういったものだったようです。
・崇高とは、大自然の圧倒的な力に対する思い。
私なりの解釈では”すごいなぁ、かなわないなぁ”という感情ですかね。
ということで、彼の絵の題材には、風景画が多いです。
私なんかでも、ブログにアップするために、梅見に行った時、風景の写真撮ったりしますもんね。
風景こそ、インスタ映えの基本なのでしょう。(あとはグルメでしょうか)

題材としては、もう一つ”荒れ狂う海”なんてのも数多くあったりします。
ドラマティックで絵になりますよね、荒れ狂う海で頑張る小舟とか。
それに、荒れ狂う海って、”かなわないよなぁ”って気になりますもんね。
ちょっと違うのかもしれませんが、浮世絵で北斎の”富嶽三十六景 神奈川沖浪裏”なんか、そうじゃないかなと思います。

で、何を言いたいかと申しますと、彼は”ウケる絵をちゃんとわかって描いていたのかな”ということ。
大事なことですよね、エンターテイナーとして、お客さんの求めているものを提供することって。
その上で、彼のピカ一の技術力で、みんなに素敵な作品を提供してくれたわけです。
で、彼のテーマとして、私なりに解釈しますと、”光と湿気”でしょうか。
形のない”光”を、白を巧みに使うことで表現する、これは古来名画ではよくみられることです。
しかし、”湿気”をうまく表現した方というのは、なかなかおられないように思いますね。
「キリスト教の黎明(エジプトへの逃避)」という作品を見て、そう思いました。
もちろん、代表作である「雨・蒸気・速力ーグレート・ウェスタン鉄道」もそうですよね。
(今回は展示されてませんでしたが)

そのほかでターナーさんについて言えるのは、”とても精密な絵を描いている”ということ。
版画もしかりなんですがね。
また、”なぜか、画面が明るい(濁っていない?)絵が多い”ということ。
特に点描法や並置加法混色を使っているわけではないのですが。
もしかすると、うまく”白”を使っているからなのかもしれませんね。
あと、混色にしても、同系色をうまく混ぜているのかもしれません。
こういった、”画面が明るい”、”湿気を表現している=境界線がはっきりしていない”というものは、次の時代に出てくる”印象派”につながっていくような気がします。
まあ、印象派が出てくるのは、イギリスではなくてフランスなんですけどね。

また好きな画家が一人増えました。
うれしい限りです。
実は、昨日、美術館のはしごをしてまして、2つ目として書く予定だったのですが、すでに長くなってしましました。
そう言うことで、それはまた明日にいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です