あべのハルカス美術館 「北斎 - 富士を超えて - 大英博物館国際共同プロジェクト」

趣味を作るのが趣味の、はしびろこうです。

秋です。先週まで台風が来たり、その前もずっと雨続きだったりしましたが。
それでも、秋です。
秋といえば、「食欲の秋」、「運動の秋」、「読書の秋」・・・
いろいろありますが、「芸術の秋」というのもあります。
だからでしょうね、いろんな美術館・博物館で見ごたえ十分の特別展が目白押しです。
ということで、前回の「国宝展」に続き、今回は
「北斎 - 富士を超えて - 大英博物館 国際共同プロジェクト」に行ってきました。

・・・さてここで、これから行こうと思っていらっしゃる方々に一つ忠告です。
並ぶ前に、トイレに行っておきましょう。
また、十分な余裕を持ったスケジュールを立ててください。
防寒も必要ですが、調節可能なように、脱ぎ着がしやすい服装もいいでしょう。
チケット購入に1時間(ですので、チケットは事前に購入することを強くお勧めします)、
その後、入るまでに1時間。
列の一部は外になる可能性もあります。(庭園状のところをうねるようにして並びました)
入ってから、見て回るのに1時間。
このくらいは、余裕でかかります。

前置きはこの辺でやめにしておいて。
葛飾北斎。
”富岳36景 神奈川沖浪裏”、”同じく 凱風快晴(通称赤富士)”で有名です。
今回の展覧会にも展示されています。
皆さん、熱心に見入っておられます。
確かにカラフルですし、そのダイナミックさとか、構図とか、素晴らしいです。
でも、個人的には、そのあとの展示のほうに心惹かれました。

私が心ひかれた作品を列挙しますと、
・雪中中国武人図
・花和尚魯智深図
・歌占図
・堀川夜討図
カラフルかつダイナミック。
それでありながら、表情は繊細で豊かに描き上げられています。
そんな中でも、次の2作品を強く押します。
・蓮上釈迦図
ふんわりした感じで、さらりと書いてあるように見えます。
ただ、そのお釈迦様の表情が、何とも言えず慈悲深く柔和です。
・胡蝶の夢図
これもまた、眠っている人物(と見えたのですが)の表情が絶妙です。

そんな葛飾北斎の、超人的な技を垣間見ることのできる物(本)が、展示してあります。
最後のほうなのですが、
・画本彩色通(えほんさいしきつう)
ここには、絵の描き方のすべてが記されているようです。
私が覚えているのは”鴨”なのですが、
「くちばしは、~~で△△で描く」みたいなことが、細かく書いてありました。
~~や△△のところは、絵の具(画材?)のことまで書いているようでした。
後でネットで調べますと、彼の描いた画技の手引書、つまり”教科書”だったんですね。
これでわかるのは、これが書けるほど、彼はち密に計算しつくして、描いていたということ。
感性・情熱・才能、そう言ったものに加えて、ち密な観察と計算、これが彼の持ち味だったのかもしれません。

長い時間並んでみる価値はあります。
十分な覚悟と、準備をして、お出かけください。
「北斎 - 富士を超えて - 大英博物館 国際共同プロジェクト」

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