神戸市立博物館 プーシキン美術館展

神戸市立博物館で開催中の「プーシキン美術館展」に行ってきました。
プーキシン美術館はロシアにある非常に大きな美術館で、13世紀から現代までの西洋絵画を多く所蔵しているそうです。(Wikipediaより)
そういう美術館の所蔵品だからできること、それは
西洋絵画300年分を一気鑑賞
です。
副題にも「フランス絵画300年」とありますしね。
で、この一気鑑賞で何が面白いかというと、
「革新と復古を揺れ動きながら、静から動へ変化して行く中で、先人を越えるために努力を積み重ねて行く天才たち」を感じるられること、
です。
昔から画家たちは、
「昔のものってすばらしい!」
「いや、もっと自由に表現したい!!」
「いやいや、昔の秩序のほうが美しい!!!」
という感じで揺れ動きながら、大きな流れとして静から動へと表現の焦点を移動させているように感じます。
あと、ちょっとあいまいですが、「空想から現実へ」という流れもあると思います。
ただし、こういった流れは近代から現代にかけて、非常にわかりにくくなっているように思いますけれど。
なんにしても、17・8世紀の作品を見ると、その緻密さ・美しさには驚かされます。
古い作品であるのに、その作品が放つパワーは後の作品に負けない、むしろ圧倒してしまう感もあります。
こういった作品を見てしまいますと、19世紀以降の画家たちが受けたであろう、先人を超える(または超えたい)というプレッシャーは、非常に強かっただろうと想像します。
こういうプレッシャーに打ち勝って、すばらしい作品を作り上げた方々の1人、ゴッホさん。
彼の「医師レーの肖像」を今回の1枚に選びました。
この作品、いろいろといわくはあるのですが、私が1目で感じたのはその「深い愛情」でした。
とても気合を入れて描かれた、すばらしい作品だと思うのですが、その深すぎる愛情がプレッシャーになってしまったのでしょうか。
送られた側にはあまり気に入ってもらえなかったとか・・・
男なら1度はやってしまう「マイ・ベスト・カセット」のプレゼントに通ずるものがあるのかもしれません。
(私が若かったころは、カセットテープというものに音楽を編集していたんです。さしづめ今ならiPodのプレイリストでしょうか)
まあ、気持ちだけはありがたく受け取ってくれたものと思いたいですね。
この展覧会は12月8日までです。
天才たちが時代に流されたり、時代を作ったり、その中で苦悩したり歓喜したり、という雰囲気を感じたい方にはぜひお勧めです。

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