国立新美術館 小野竹喬展

かなり前の話になりますが、国立新美術館の小野竹喬展にいってきました。
千鳥カ淵のほとりにある、なかなかしゃれた建物でした。
併設されているレストランもおしゃれでよいところでした。
さて、小野竹喬さん、若い頃は自然の美しさ、パワーといったものをなんとか絵に表現しようと必死に写実的な絵を描いていたそうです。
それはそれですばらしい出来だと思うのですが、本人にとってはどんなにがんばっても自然のもつ迫力を写し取れないということに、悩み苦しんでいたようです。
それを突き抜けて、彼は描き続け、ついにはかれ独特の表現技法に到達したようです。
そして、それはきっと、他の大芸術家たちと根底で繋がっている普遍的なものと、オリジナリティーあふれる個性的なものの、融合した形となったのだと思います。
彼の書いた夜景は、リアルとイマジネーションの狭間で、リアルを超えたリアリティーを持っているように思えました。
これは、例えば速水御舟さんの炎舞などにもいえることなのかもしれません。
悩み苦しんだ末に突き抜けるということは、いろいろな世界で共通する、人生の目標なのかもしれません。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

前の記事

松岡美術館